再生医療って何?

再生医療とは、生まれつきの障害や、疾病・不慮の事故・加齢などによって欠損、損傷、機能低下した組織や臓器を、患者さんの体外で培養した細胞や組織によって修復再生し、本来の機能を補完する医療です。
欠損・損傷した臓器を再建させることで、これまでの対症療法では実現し得なかった疾病や損傷への根治療法が可能となります。これによって、患者さんや高齢者、そして障害者の生活の質(QOL:Quality of life)が飛躍的に向上し、彼らの社会復帰と生活の自立を後押しすることが期待されるのです。こうしたことから、再生医療は医療分野のみならず、産業構造、社会構造にも大変革をもたらすと期待されています。

なお、厚生労働省は再生医療について次のように定義しています。

1、患者の体外で人工的に培養した幹細胞等を、患者の体内に移植等することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療。
2、ないしは、患者の体外において幹細胞等から人工的に構築した組織を、患者の体内に移植等することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療
多能性幹細胞安全情報サイトより

ひざの痛みに
再生医療はどう役立つ?

加齢とともに膝の痛みを感じるようになったなら、まず疑うべきは変形性膝関節症。
この疾患は、時間とともに徐々に悪化し、一度悪化すると、なかなか元には戻りません。これに対して再生医療はどう役立つのでしょう? また、どういった症状のときに最も効果的なのでしょう? 具体的に解説します。

正常 進行期 末期 | グレード0〜5 | グレード1: ヒアルロン酸 / グレード2-3: 再生医療 / グレード4: 人工関節置換術

ひざ再生医療の最先端治療は?

現在、ひざ関節治療で広く実用化されている再生医療には、主に血液を材料にするもの、体性幹細胞を用いるもの、分化した軟骨細胞を用いるものの3種類があります。
さらに体性幹細胞の中には、骨髄由来のもの脂肪由来のもの滑膜由来のものなどがあります。

血液
材料に行う治療

血液中に含まれる、治癒反応を促進させるタンパク質(成長因子)や炎症を抑える抗炎症サイトカインを利用して、治療を行います。

体性幹細胞
材料に行う治療

骨髄、脂肪、滑膜などに含まれる体性幹細胞の抗炎症作用や組織修復能力を利用します。今、治療への応用が最も進んでいるのは、脂肪由来幹細胞です。

分化した
軟骨細胞
用いる治療

患者さん自身の軟骨を体外で培養し、それを欠損した部位に移植します。すでに一部の疾患では、通常の保険治療として受けることが可能です。

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